家計・維持費節約

車両保険はいらない?必要な人・外していい人の判断基準【ママの家計目線】

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自動車保険を見直すとき、多くのママが迷うのが「車両保険(自分の車の修理代を補償する保険)をつけるかどうか」です。つければ安心ですが、その分だけ毎年の保険料は上がります。家計を軽くしたい一方で、いざというときの出費もこわい——そんなときに役立つ「必要・不要の判断基準」を、ペーパードライバーから運転を再開したママの目線でまとめました。

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そもそも車両保険とは?対人・対物との違い

自動車保険は大きく分けて、相手のケガを補償する「対人賠償」、相手のモノを補償する「対物賠償」、そして自分の車の修理代を補償する「車両保険」の3つがあります。対人・対物は相手への賠償なので基本的に外せませんが、車両保険は任意でつけ外しができる部分です。つまり、保険料を調整したいときに真っ先に検討するのがこの車両保険なのです。

車両保険には補償範囲の広い「一般型」と、範囲を限定して保険料を抑えた「エコノミー型(車対車+限定A など)」があります。一般型は自損事故(電柱やガードレールへの接触など)までカバーしますが、エコノミー型は単独事故(電柱への衝突など)や当て逃げが対象外になるのが一般的です(出典:ソニー損保「車両保険は一般型とエコノミー型どちらがいいの?」)。補償の名称や対象範囲は保険会社ごとに異なるため、契約前に必ず各社の説明ページでご確認ください。

車両保険を「つけるべき人」の3つの条件

次のいずれかに当てはまるママは、車両保険をつけておく価値が高いといえます。

①新車・購入から年数が浅い車に乗っている:修理費や再購入費が高額になりやすく、万一のときの自己負担が大きいためです。損保各社も、新車や初心者ドライバーには補償の広い一般型をすすめています(出典:損保ジャパン/三井住友海上のガイド)。

②運転を再開したばかりで自信がない:ペーパードライバーを卒業して間もない時期は、車庫入れでこすったり、単独でぶつけたりする「自損事故」のリスクが相対的に高めです。運転に慣れるまでの数年間を守る、という考え方ができます。

③貯蓄が少なく、急な修理代を家計から出しにくい:数十万円の修理費を貯蓄から即座に出せない場合、保険で備えておくほうが家計の安全につながります。車両保険は「修理代を自己資金で払えるかどうか」で判断するのが基本です。

車両保険が「なくてもいい人」の判断基準

逆に、次のようなケースでは車両保険を外して保険料を下げるのも合理的な選択です。

まず、車の価値が下がって修理代と保険料が見合わなくなっている場合。年式の古い車では車両保険金額(補償の上限)自体が低く設定され、支払われる金額よりも払い込む保険料のほうが割高になることがあります。次に、修理代を貯蓄でまかなえる場合。十分な備えがあれば、保険を使わず自己資金で対応するほうがトータルの支出を抑えられることもあります。さらに、年間の走行距離が短く事故リスクが低い場合も、外す判断がしやすくなります。

もう一つ知っておきたいのが「等級ダウン」の存在です。車両保険を使って修理すると、多くのケースで翌年の等級が下がり保険料が上がります(自分の車を壊して車両保険を使うケースの多くは「3等級ダウン事故」にあたります。盗難や台風・洪水などによる損害は「1等級ダウン事故」です。出典:ソニー損保FAQ「3等級ダウン事故・1等級ダウン事故・ノーカウント事故とは」)。等級の下がり方や事故あり係数の適用期間は事故の種類・保険会社により異なるため、詳細は各社にご確認ください。小さなキズの修理で保険を使うと、かえって数年分の保険料増でマイナスになることもあるため、「使うほどの損害か」を冷静に見ることが大切です。

つけたまま保険料を抑える3つの工夫

「不安だから外したくない。でも高い」という場合は、車両保険を残しながら保険料を下げる方法があります。

①エコノミー型に切り替える:相手のいる事故・盗難・いたずら・台風などに絞って補償し、単独事故を外すことで保険料を抑えられます。②免責金額(自己負担額)を高めに設定する:たとえば「1回目5万円・2回目10万円」のように自己負担を上げると、その分だけ保険料が下がります。③運転者を限定する:「本人・配偶者限定」などにすると、補償の対象者が絞られて保険料が下がります(出典:インズウェブ・保険料を抑える方法)。家族構成や運転する人に合わせて設定を見直しましょう。

車両保険は「使うと損」になることがある(等級ダウンの仕組み)

車両保険を外すかどうかを考えるとき、意外と知られていないのが「保険を使った翌年からの保険料」です。ここを知らないまま「せっかく付けているのだから使おう」と判断すると、結果的に高くつくことがあります。

事故の種類で下がり方が違う

事故の種類どんな事故か翌年の等級
3等級ダウン事故相手のいる事故、電柱やガードレールにぶつけた自損事故、当て逃げなど3等級下がり、事故有係数適用期間が3年加算される
1等級ダウン事故車両保険にかかわる事故のうち、火災・爆発、盗難、いたずら・落書き、飛来中または落下中の物との衝突(飛び石など)、台風・洪水など1等級下がり、事故有係数適用期間が1年加算される
ノーカウント事故人身傷害保険や搭乗者傷害保険など、一定の補償だけを使った場合等級は下がらず、翌年は1等級上がる

※出典:ソニー損害保険「『3等級ダウン事故』『1等級ダウン事故』『ノーカウント事故』とは」、アクサ損害保険「自動車保険の等級が下がる事故とは」。どの事故がどれに当たるかは保険会社ごとに定めがあるため、契約先の約款やパンフレットでご確認ください。

「事故有係数適用期間」の3年が効いてくる

等級が下がるだけでなく、同じ等級でも「事故あり」の割引率が使われる期間が発生します。これが事故有係数適用期間で、3等級ダウン事故なら3年加算されます(上限は6年)。この期間中に保険を使わなければ1年ずつ減っていき、0年になると通常(無事故)の割引率に戻ります。

つまり車両保険を1回使うと、下がった等級が戻るまでの数年間、割高な保険料を払い続けることになります。そのうえ、支払われるのは免責金額(自己負担額)を差し引いた後の金額です。

使うか迷ったら、この順番で確かめる

  1. 修理の見積もりを取り、免責金額を引いたら実際いくら受け取れるのかを確認する
  2. 保険会社に、保険を使った場合と使わなかった場合の翌年以降の保険料を試算してもらう(対応の可否や方法は会社によって異なります)
  3. 受け取れる金額が、増える保険料の合計を下回るなら、自分で払ったほうが結果的に安く済むこともある

「いらないかもしれない」と感じている方は、車両保険を外すかどうかの前に、自分が実際に使う場面で本当に元が取れるのかを一度確かめてみてください。判断の材料がそろってから決めても遅くありません。

そもそも自動車保険(任意保険)は無駄? 自賠責だけでは足りない理由

「車両保険はいらない」と調べているうちに、「そもそも任意保険自体が無駄なのでは」と感じる方もいます。ここは車両保険とは話がまったく別なので、切り分けておきます。

すべての自動車に加入が義務づけられている自賠責保険は、交通事故の被害者を救済するための「対人賠償」の制度です。支払限度額は被害者1人につき次のとおりと定められています(出典:国土交通省「自賠責保険・共済ポータルサイト|損害賠償を受けるときは?」)。

区分支払限度額(被害者1人につき)
傷害による損害120万円
後遺障害による損害第14級75万円〜第1級3,000万円。介護を要する場合は随時介護3,000万円・常時介護4,000万円
死亡による損害3,000万円

そして、自賠責の対象にならないものがあります。国土交通省の同ページでは、政府保障事業の対象外として「物の損害(車両の損害等)の場合」「自損事故でご自身が受傷された場合」が挙げられており、自賠責も同じ考え方です。整理すると次のようになります。

損害の種類自賠責保険任意保険で備えるもの
相手のケガ・死亡限度額まで対象限度額を超えた分(対人賠償)
相手の車・ガードレール・お店などの物対象外対物賠償
自分や同乗者のケガ対象外人身傷害・搭乗者傷害
自分の車の修理代対象外車両保険

相手の物への賠償と自分側のケガは、自賠責では1円も出ません。傷害の限度額120万円も、入院や通院が長引けば届かなくなることがあります。「任意保険が無駄かどうか」と「車両保険が必要かどうか」は、別々に考えるべき問題です。車両保険を外すのは選択肢になり得ますが、対人・対物の賠償まで削るのは、家計を守るどころか一度の事故で立ち行かなくなるリスクを抱えることになります。

保険料を下げたいなら、補償を削る前に運転者の範囲・年齢条件・免許の色といった「申告条件が実態に合っているか」を見直すほうが先です。詳しくはゴールド免許で自動車保険はいくら安くなる?で整理しています。

台風・大雨で水没したら?──「いらない」と決める前に、自然災害の線引きを見ておく

車両保険を外すという判断は、「ぶつけたときの修理代を自分で払う」だけの意味ではありません。台風・大雨・雹(ひょう)で車が傷んだときの費用も、まるごと自己負担になるということです。ここは見落とされやすいので、線引きを確かめておきましょう。

三井住友海上『GK クルマの保険』では、自然災害による水没の扱いが次のように整理されています。

水没の原因一般補償(いわゆる一般型)10補償限定(いわゆるエコノミー型)
台風・竜巻・洪水・高潮による水没支払われる支払われる
地震・噴火を原因とした津波による水没支払われない支払われない
出典:三井住友海上「自動車保険の車両保険で補償される?水害・水没の場合」(『GK クルマの保険』2026年1月1日以降始期契約の概要)

ポイントは2つあります。ひとつは、保険料を抑えるために補償範囲を絞ったタイプ(エコノミー型)でも、台風や洪水による水没は対象になるということ。「エコノミー型にしたから自然災害は無理だろう」とあきらめる必要はありません。

もうひとつは、地震・噴火を原因とする津波だけは、車両保険では対象外だということです。同社の場合は「地震・噴火・津波『車両全損時定額払』特約」をセットしておくと、全損になったときに50万円(車両保険金額が50万円未満のときはその金額)が支払われます。

災害で使ったときの等級はどうなる?

台風・竜巻・洪水・高潮による水害で車両保険を使った場合、継続契約の等級は1等級下がり、事故有係数が適用されます(下がり方の違いは本記事の「事故の種類で下がり方が違う」で解説しています)。一方、津波の被害で先ほどの特約を使った場合は、継続契約の等級や保険料には影響しません

特約の名称・支払額・条件は保険会社ごとに違います。ここで挙げた数字はあくまで一社の例なので、ご自身の証券や約款、見積もり時の説明で必ず確認してください。

外すかどうかは、駐車場の浸水リスクを地図で見てから決める

「車両保険はいらない」と判断してよいかどうかは、家計の余力だけでなく車が置かれている場所のリスクにも左右されます。ここは想像で決めず、公開されている地図で確かめられます。

国土交通省のハザードマップポータルサイトには、全国の災害リスク情報を1枚の地図に重ねて見られる「重ねるハザードマップ」と、市区町村が公表しているハザードマップを探せる「わがまちハザードマップ」があります。洪水・内水・高潮・津波の浸水想定区域や想定される深さ、土砂災害警戒区域、道路冠水想定箇所などを、住所から確認できます。

見る場所確かめること
自宅と駐車場浸水想定区域に入っているか。入っているなら想定される深さ
保育園・職場までの道道路冠水想定箇所(アンダーパスなど)が経路上にないか
よく行く先の駐車場川沿い・地下・くぼ地でないか
確認先:国土交通省 ハザードマップポータルサイト(重ねるハザードマップ/わがまちハザードマップ)

浸水想定に入っていなかったなら、「車両保険を外して、その分を貯蓄に回す」という判断はより納得のいくものになります。逆に想定区域の中に駐車場があるなら、外す前にもう一度、修理代や買い替え費用を自分で用意できるかを考えてみてください。

保険の前に、まず車を水につけないこと。三井住友海上は水没を防ぐ工夫として、ゲリラ豪雨のときは谷間・くぼ地・アンダーパスを避けること、大雨が予想される場合はあらかじめ車を高台へ移動させること(自治体が一時的な車両避難場所を設けている場合がある)を挙げています。冠水した道路には進入しない、というのが何よりの備えです。お子さんを乗せているときはなおさらです。

迷ったら「一括見積もり」で今の条件を比べるのが近道

車両保険をつける・外す・エコノミーにする——この違いで保険料がどれだけ変わるかは、実際に見積もってみないと分かりません。同じ補償内容でも保険会社によって保険料は差が出るため、1社だけで決めず複数社を比べるのが家計にはいちばん効きます。無料の一括見積もりを使えば、車検証を見ながら数分の入力で各社の金額を横並びで確認できます。

まとめ|車両保険は「修理代を自分で払えるか」で決める

車両保険は、新車・運転再開直後・貯蓄が少ないママにはつける価値が高く、車の価値が下がった・貯蓄で払える場合は外して保険料を下げる、というのが基本の考え方です。つけたまま抑えたいなら、エコノミー型・免責金額・運転者限定の3つで調整できます。まずは今の条件で一括見積もりを取り、家計に合うバランスを見つけてみてください。

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