車買取と廃車どっちが得?売却できる車の見分け方と費用ゼロの手放し方
廃車と売却、迷ったら「まず査定で値段を確認」が正解
「この車、まだ売れる?それとも廃車にした方がいい?」と迷う方は多いです。結論からいうと、先に無料査定で値段がつくか確認し、値段がつかなければ廃車を検討する、という順番が損をしにくい進め方です。この記事では、廃車と売却それぞれが向いているケース、廃車費用の目安、損しない判断手順を整理します。
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【3分で判断】廃車と売却、どっちを選ぶ?5つの質問で進むフロー
「廃車と売却、どっちが得か」は、車の状態によって答えが変わります。とはいえ、迷ったときに見る順番はいつも同じです。上から順に「はい/いいえ」で進めてください。3〜4問目で、たいていの車は答えが出ます。
| 順番 | 確認すること | 「はい」のとき | 「いいえ」のとき |
|---|---|---|---|
| 1 | 自分で運転して動かせる状態ですか? | 2へ進む | まだ廃車と決めない。動かない車を引き取って買い取る店もあるので、2へ進んで値段を確認する |
| 2 | 無料の査定で、1円でも値段が付きましたか? | 売却が有力。3へ進んで金額を比べる | 4へ進む |
| 3 | 2社以上の見積もりを比べましたか? | いちばん高い店へ。ここで判断は終わり | 1社だけの金額は高いか安いか判断できない。もう1社だけ増やす |
| 4 | 引き取りに費用がかかると言われましたか? | 費用のかからない引き取り先も探して比べる。費用の有無は業者によって差が出る部分です | 5へ進む |
| 5 | 車検の残りが1か月以上ありますか? | 解体を理由とする永久抹消登録(または解体届出)と同時に自動車重量税の還付申請をする | 重量税の還付は受けられないため、手続きにかかる費用だけで比べる |
ここで大事なのは、1と2を飛ばさないことです。「もう古いから」「動かないから」と先に廃車を決めてしまうと、値段が付いたかどうかを確かめないまま手放すことになります。査定は無料で、金額を聞いてから断ることもできます。
「廃車のほうが得」になるのは、実はかぎられた場面です
正直にお伝えすると、廃車は「売れなかったときの受け皿」と考えるのが実態に近いです。値段が付く車をわざわざ廃車にしても、手元に残るお金は増えません。廃車を選ぶ理由になるのは、おもに次の2つです。
- どこに出しても値段が付かず、保管し続けるほうが負担になるとき(駐車場代・自動車税がかかり続けるため)
- 解体を前提にすることで、自動車重量税の還付を受けられるとき。この還付は、自動車リサイクル法に基づいて適正に解体され、解体を理由とする永久抹消登録申請または解体届出と同時に還付申請をした場合に、車検の残り期間に応じて受けられます(出典:国税庁「使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度」)。売却・下取り・一時抹消では対象になりません
なお、還付金が実際に支払われるまでには、申請書の提出からおおむね2か月半程度かかるとされています(出典:同上)。「廃車にしたのにお金が振り込まれない」と不安になりやすい部分なので、時間がかかるものだと知っておくと安心です。
※ここに書いた条件は制度の基本的な考え方です。手続きの窓口や必要書類は車の種類(普通車・軽自動車)や地域によって異なるため、実際に進めるときは運輸支局・軽自動車検査協会や、依頼する業者にご確認ください。
廃車が向いているケース
- 事故で大きく損傷し、修理費が車の価値を大幅に超える車
- 走行不能・エンジン不動の車
- 年式が古く走行距離も多く、買取店で値段がつかなかった車
売却が向いているケース
- 問題なく走行できる車
- 車検が残っている車
- ミニバン・SUV・軽自動車など中古車市場で需要のある車種
「古いからどうせ売れない」と思っていても、車種や状態によっては値段がつくことがあります。自己判断で廃車を決める前に、まず査定で市場の評価を確認するのがおすすめです。
廃車にかかる費用の目安
廃車(解体)には、解体費用や引き取り運搬費がかかる場合があります。金額は業者・地域・車の状態によって大きく異なるため、依頼前に必ず見積もりを取りましょう。また、リサイクル料金は多くの場合、車の購入時に前払い済みです。リサイクル券(預託証明書)で支払い状況を確認できます。
動かない車でも「値段がつく」ことがある理由
廃車予定の車でも、部品(パーツ)や金属素材としての価値が残っていることがあります。そのため、廃車買取を専門にする業者では、走行不能の車を無料で引き取ってもらえたり、状態によっては買取金額がつく場合もあります。解体費用を払う前に、廃車買取に対応する業者へ相談してみる価値はあります(引き取り条件・費用は業者により異なるため、複数社での確認がおすすめです)。
損しない判断手順3ステップ
- まず無料査定で値段を確認する:動く車なら通常の買取査定へ。思わぬ値段がつくこともあります。
- 値段がつかなければ廃車買取・引き取りを検討する:解体費用を払う前に、無料引き取りや廃車買取の選択肢を確認しましょう。
- 手続き後の税金・保険を確認する:廃車(永久抹消登録)をすると、普通車は自動車税が残り月数分の月割で還付されます。一方、売却(名義変更)では自動車税の還付はありません。また軽自動車税は廃車でも還付がありません。詳しくは自動車税は「売却」では戻らない|廃車との違いで解説しています(出典:千葉県 県税に関するよくあるご質問)。
「廃車」には2種類ある:永久抹消と一時抹消
ひとことで廃車といっても、手続きには2種類あります。永久抹消登録は車を解体して二度と乗らない場合の手続きで、一時抹消登録は「しばらく乗らないが車体は残しておく」場合の手続きです。一時抹消中は自動車税の課税が止まるため、長期間乗る予定がない車を保有し続けるより負担を抑えられます。どちらの手続きが合うかは、今後その車に乗る可能性があるかどうかで判断しましょう(手続きの窓口は普通車が運輸支局、軽自動車が軽自動車検査協会です)。
廃車で「戻ってくるお金」と「戻らないお金」【早見表】
廃車というと費用の話ばかりが目に付きますが、条件を満たすと戻ってくるお金もあります。ここを知らずに手続きすると、受け取れたはずのお金を取りこぼすことがあります。まず全体像を整理します。
| お金の種類 | 戻ってくる条件 | 戻らない主なケース |
|---|---|---|
| 自動車税(種別割) ※普通車 | 抹消登録をすると、その翌月から3月までの分が月割で還付される | 売却(名義変更)だけの場合/年度末に近く残り月数がない場合 |
| 軽自動車税(種別割) | 月割の制度そのものがない(4月1日時点の所有者に年税額を課税) | 年度の途中で廃車・名義変更をしても還付はない |
| 自動車重量税 | リサイクル法に基づいて適正に解体し、解体を理由とする永久抹消登録(または解体届出)と同時に還付申請をしたとき。軽自動車も対象 | 車検の残りが1か月未満/一時抹消のみ/売却・下取り・輸出/二輪(自動車リサイクル法の対象外) |
| 自賠責保険料 | 解約手続きをすれば、残っている期間に応じて戻る場合がある | 自動で戻る仕組みではないため、手続きを忘れると受け取れない |
| リサイクル料金(預託金) | 売却して次の所有者へ引き継がれる場合は、相当額が査定に反映されるのが一般的 | 解体する場合は本来の目的に使われるため戻らない |
金額の考え方でいちばん誤解が多いのが自動車重量税です。還付額は「納めた重量税額 × 車検の残存期間 ÷ 車検の有効期間」で計算されます。国税庁は、納付額24,600円・車検残り5か月・2年車検の場合に 24,600円 × 5か月 ÷ 24か月 = 5,125円 という例を示しています。納めた金額は車検証に記載されているので、手続き前に確認しておくと見込みが立ちます。なお、還付申請書が運輸支局などに提出されてから実際に振り込まれるまでは、おおむね2か月半程度かかるとされています(出典:国税庁「使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度について」)。
軽自動車について、軽自動車税(種別割)は4月1日現在の所有者に1年分がかかり、月割の制度がありません。年度の途中で手放しても還付されない点は、普通車と大きく違うところです(出典:中央区「軽自動車税に月割制度はありますか?」、港区「軽自動車税(種別割)について」)。一方で、自動車重量税の還付は軽自動車も対象です。「軽は何も戻らない」と決めつけないでください。
自動車重量税の還付を取りこぼしやすい3つのパターン
重量税の還付は、条件が細かく決まっています。よくある取りこぼしは次の3つです。
- 一時抹消だけで終わらせてしまう:重量税の還付対象は「リサイクル法に基づいて適正に解体された車」です。車体が残る一時抹消では条件を満たしません。もう乗らないと決まっているなら、解体を理由とする永久抹消登録(または解体届出)まで進める必要があります。
- 抹消の手続きが終わってから、還付申請だけを後で出そうとする:国税庁は、還付申請は永久抹消登録申請または解体届出と同時に行う必要があり、後日あらためて還付申請だけを行うことは原則としてできない、としています。申請書は永久抹消登録申請書と兼用で、振込先の金融機関・口座を記入する欄があります。
- 車検の残りが1か月未満、または売却・下取り・輸出だった:車検残存期間が1か月未満だと還付は受けられません。また、廃車ではなく売却・下取りに出した場合や、中古車として輸出した場合も還付の対象外です(出典:国税庁 廃車還付制度Q&A)。
手続き先は普通車が運輸支局、軽自動車が軽自動車検査協会です。永久抹消登録そのものの手数料は無料とされていますが、申請には発行から3か月以内の印鑑(登録)証明書、ナンバープレートの返納、解体報告記録がなされた日と移動報告番号などが必要になります。業者に解体を依頼した場合、これらの情報は業者から連絡を受けてから記入します(出典:国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト「抹消登録」)。書類の準備は売却する場合とも共通する部分が多いので、車の売却・買取に必要な書類一覧もあわせて確認しておくと、役所に行く回数を減らせます。
なお、代理人に手続きを任せる場合は委任状が必要です。金額や手続きの細部は状況によって変わるため、最終的な判断の前に運輸支局・軽自動車検査協会、または依頼する業者に確認してください。
「廃車にする」と決めたら、車を渡す前に確認する3つ
ここまでで「値段がつくなら売却、つかないなら廃車」という判断はできます。ただ、実際にいちばんつまずきやすいのは、そのあとの「渡し方」です。廃車のルートを選ぶなら、車を引き渡す前に次の3つだけ確認してください。どれも当日その場では確認しづらいことばかりです。
| 確認すること | なぜ必要か | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 1. 引取業者としての登録があるか | 使用済自動車の引取りを業として行うには、自動車リサイクル法にもとづく都道府県知事等の登録が必要です。解体や破砕を行う事業者は、さらに許可制になっています | 自動車リサイクルシステムの「関連事業者検索」で調べられます。見積もりのときに自治体の登録番号を聞いても構いません |
| 2. 使用済自動車引取証明書を出してくれるか | 引取業者に使用済自動車を引き渡したときは、引取証明書を必ず受け取ることになっています。あとの永久抹消登録の手続きと、処理状況の確認に使います | 引き渡す前に「引取証明書はいただけますか」と一言確認します。渡された書類は車検証の控えと一緒に保管します |
| 3. リサイクル券(または預託状況の印刷)を用意したか | 使用済自動車として手放すときは、車と一緒にリサイクル券を渡します。リサイクル券は原則として再発行できません | 見当たらない場合は、自動車リサイクルシステムで「自動車リサイクル料金の預託状況」を印刷すれば代わりに使えます。紛失した旨を引取業者に伝える方法もあります |
「廃車にするとリサイクル料金が戻ってくる」は、正確ではありません
リサイクル料金は、フロン類・エアバッグ類・シュレッダーダストの処理に使われる費用です。解体する場合は本来の目的に使われるため、返金されません。一方、中古車として売却する場合は、所有者が「車両価値金額+リサイクル料金相当額」を受け取り、リサイクル券を次の所有者へ渡します。同じ車でも、買取に出すか廃車にするかで扱いが正反対になる。ここが「どっちが得か」を比べるときに見落とされやすい一点です(出典:自動車リサイクルシステム「自動車ユーザーの方」)。
なお、解体をともなう廃車では、引取業者から「解体報告記録日」の連絡を受けたあとに、運輸支局等で永久抹消登録(軽自動車は軽自動車検査協会で解体届出)へ進みます。前の章でふれた自動車重量税の還付は、この手続きと同時に申請する必要があります。連絡が来たら放置せず、その足で手続きまで進めてしまうのが安全です。
渡した車が本当に解体されたかは、自分で確認できます
「業者に渡したあと、どうなったのか分からない」。これが廃車をためらう理由になっている方は少なくありません。ですが、自分の車の処理がどこまで進んだかを、最終所有者本人がオンラインで確認できる仕組みが用意されています。自動車リサイクルシステムの「使用済自動車処理状況検索」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入力するもの | 自動車の種別(登録自動車/軽自動車)と、車台番号の下4桁+登録番号(軽自動車は車両番号)、または車台番号の下4桁+リサイクル券番号(移動報告番号) |
| 分かること(処理状況) | 引取 → フロン類回収 → 解体 → 破砕の各工程の完了・未了、各工程の引取日・引渡日、処理の遅延の有無 |
| 分かること(車両・業者) | 車台番号・登録番号/車両番号・車名・装備の有無・解体報告記録日、引取業者の自治体登録番号・事業所名称・所在地・電話番号 |
| 利用できる時間 | 7:00〜24:00(システムのメンテナンス等で停止することがあります) |
この機能は2008年5月から提供されているもので、環境省の発表では、最終所有者が自分で処理状況を確認できるようにすることで関連事業者の適切な処理をうながし、制度全体の信頼性を高めることがねらいとされています。つまり、確認する人が増えるほど不適正な処理が起きにくくなる仕組みです。手間は数分ですから、渡したら見る、を習慣にしたいところです。
実際に役に立つ場面は、おもに次の3つです。
- 永久抹消登録に進むタイミングを自分で把握する:解体報告記録日が確認できれば、業者からの連絡待ちで止まらずに済みます
- 工程が止まっていないかを見る:遅延の有無が表示されるので、長く動きがないときは引取業者へ問い合わせる材料になります
- 翌年度に税金の通知が届いたときの確認材料にする:抹消の手続きが本当に終わっているかを、書類とあわせて裏づけできます
売却(買取)を選んだ場合は、この検索は使えません。名義変更が終わったかどうかは、車を売ったあとにやることリストで紹介している方法(新しい車検証の写し・登録事項等証明書など)で確認してください。手放したあとに必要な書類の全体像は、車売却の必要書類ガイドにまとめています。車検が切れている車を手放す場合は、車検切れの車を売る方法もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 車検が切れている車でも売れる?
車検切れでも売却は可能です。公道を自走できないため、出張査定や引き取りに対応する業者を選びましょう。詳しくは車検切れの車は売れる?そのまま売却する方法をご覧ください。
Q. ローンが残っていても廃車・売却できる?
ローン中の車は所有者がローン会社になっている場合が多く、廃車・売却の前に所有権解除の手続きが必要です。ローンが残った車の手放し方で流れを解説しています。
手放す前にひとこと。「中古車として」か「使用済自動車として」かで、戻るお金が変わります
車を手放すとき、販売店や買取店に対して「この車を中古車として手放すのか、使用済自動車(=廃車)として手放すのか」という意思を、自分ではっきり伝える必要があります。公益財団法人 自動車リサイクル促進センターが手続きの流れとして案内している内容です。
そして、どちらを選んだかで、新車を買ったときなどに預けてあるリサイクル料金の扱いが変わります。
| 手放し方 | リサイクル料金の扱い | 受け取る書類 |
|---|---|---|
| 中古車として売る・下取りに出す | 車両価値金額とは別に、リサイクル料金相当額を受け取る(※資金管理料金を除く) | — |
| 使用済自動車(廃車)として引き渡す | 預けた料金はリサイクルに使われるため戻らない。未払い分があればこのとき支払う | 使用済自動車引取証明書 |
| 中古車として海外へ輸出された場合 | 所有者が所定の手続きをすれば取戻しができる(輸出した日から2年以内) | — |
出典:公益財団法人 自動車リサイクル促進センター「リサイクル料金の支払い・受け取りの流れ」(自動車リサイクル法第78条にもとづく輸出時の取戻し手続きを含む)
⚠️気をつけたいのは「引き取っておきますね」で話が終わってしまうとき
そのまま使用済自動車として処理されると、リサイクル料金相当額は戻ってきません。「これは中古車としての引き取りですか、使用済自動車としての引き取りですか」と一言たずねるだけで、扱いがはっきりします。
※預けている金額は車種・年式によって違います。ご自身の車の預託状況は、自動車リサイクルシステムの照会ページや車検証閲覧アプリで確認できます。
新しい車を買うお店に、そのまま任せていい?──「下取り」「引き取り」「買取」の違い
買い替えのタイミングだと、いま乗っている車はそのお店にお任せになりがちです。ただ、同じ「引き取ってもらう」でも中身は3つに分かれます。
| 呼び方 | 何が起きるか | お金の見え方 |
|---|---|---|
| 下取り | 販売店が今の車を引き取り、新しい車の支払いから差し引く | 新車の値引きと一体で示されることがあり、車そのものがいくらと評価されたのかが分かりにくいことがある |
| 引き取り・廃車手続きの代行 | 使用済自動車として処理される(上の表のとおりリサイクル料金は戻らない) | 引き取り費用や手続きの代行費がかかる場合がある |
| 買取(買取店・一括査定) | 中古車として売る前提で値段を出す | 車の値段が単独で示されるので、比べやすい |
どれが得かは車の状態で変わるので、「買取なら必ず高い」とは言えません。ただ、先に1社でも買取の金額を聞いておくと、下取り額が妥当かどうかを自分で判断できます。判断材料が増えるだけで、必ず買取店に売らなければいけないわけではありません。
引き取りをお願いする前に聞いておきたい3つ
- 引き取り費用(レッカー代を含む)は誰の負担か。「無料」と言われたときは、どこまでが無料なのかまで確認する
- 中古車としての引き取りか、使用済自動車としての引き取りか(ひとつ前の見出しの話です)
- 自動車税・自賠責保険料・自動車重量税の還付は、誰が受け取ることになるか。還付の条件は手放し方によって変わります
必要な書類は車を売るときの必要書類まとめで確認できます。
手放し方を決めたあと、お金を取りこぼさない「連絡の順番」
廃車でも売却でも、戻ってくるお金の話は「何をするか」だけでなく「どの順番で、いつ連絡するか」で金額が変わります。とくに自賠責保険は、順番を間違えると受け取れる額が目減りします。
| 順番 | やること | 遅れると起きること |
|---|---|---|
| 1 | 手放し方を決める前に、まず査定で今の金額を確認する | 「どうせ値段がつかない」と思い込んだまま解体すると、売却なら受け取れたはずの金額を失います |
| 2 | 抹消登録(軽自動車は自動車検査証の返納・解体届出)を行い、証明書を受け取る | この証明書がないと自賠責の解約手続きに進めません |
| 3 | 証明書を添えて、自賠責保険の保険会社へ解約書類を送る | 解約日は保険会社が書類一式を受け取った日。廃車の日にさかのぼることはできません。送るのが遅れるほど、戻る額は減っていきます |
| 4 | 自動車重量税の還付申請は、解体を理由とする永久抹消登録(軽は解体届出)と同時に行う | あとから単独では申請できません(詳しくは前の章をご覧ください) |
「あとでまとめてやろう」がいちばん損をします
自賠責保険料は、抹消登録をすれば自動的に戻ってくるお金ではありません。日新火災海上保険の案内では、解約日は必要書類一式を受領した日であり、廃車年月日などに遡及することはできないと明記されています。手続きの完了までに2〜3週間程度かかるとも案内されています。
また、残っている期間によっては返還保険料が発生しないこともあります。「戻るはずだったのに、書類を置いていたら残りがなくなっていた」は避けたいところです。
※取扱いは保険会社ごとに異なります。必ずご自身の自賠責保険証明書に書かれている保険会社にご確認ください。
自賠責保険の解約に必要な書類と、つまずきやすい3点
実際に手続きをするときに何を用意するのか、一社の案内(日新火災海上保険・郵送での手続き)を例に整理します。会社によって書式や送り先は違いますが、そろえるものの種類はおおむね共通です。
| 用意するもの | どこで手に入るか | メモ |
|---|---|---|
| 自動車損害賠償責任保険 承認請求書 | 保険会社(サイトから印刷できる会社もあります) | 契約者の押印欄があります |
| 自賠責保険証明書 | 手元の書類(車検証と一緒に保管されていることが多い) | 紛失した場合は、請求書の紛失・再交付の欄で届け出る扱いがあります |
| 解約理由を確認できる書類 | 普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会など | 登録事項等証明書/一時抹消登録証明書/登録識別情報等通知書/検査記録事項等証明書 などのいずれか |
| 契約者の確認書類 | 運転免許証・マイナンバーカードなど | 契約者ご本人名義の口座に振り込む場合などは、省略できることがあります |
| ステッカー(保険標章) | 車に貼ってあるもの | 車検のない検査対象外の軽自動車や原動機付自転車などで必要です |
そのうえで、つまずきやすいのは次の3点です。
- 解体証明書は「解約理由を確認できる書類」にはなりません。解体したことを示す書類と、抹消登録などの証明書は別ものです。業者に解体を頼んだ場合も、証明書は自分で受け取る(または受け取れる段取りにしておく)必要があります
- 他社で加入した自賠責保険は、他社では手続きできません。証明書に記載されている保険会社に連絡します。「車を買ったお店に任せたから分からない」という場合は、まず証明書を探すところからです
- 窓口は運輸支局ではなく保険会社です。抹消登録が終わっても、自賠責は自動では解約されません。ここを知らずに終わらせてしまうのが、いちばん多い取りこぼしです
なお、一時抹消登録の場合でも解約できる扱いがあります(前の章の「永久抹消と一時抹消」もあわせてご覧ください)。売却する場合は自賠責が次の所有者へ引き継がれるのが一般的なので、この手続きは不要です。売るときに必要な書類は車の売却に必要な書類、車検が切れている場合は車検切れの車を売る方法で解説しています。
出典:日新火災海上保険株式会社「自賠責保険 解約のお手続き」(必要書類・解約日の取扱い・手続き期間)。制度や取扱いは変わることがあります。
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